「ねえジャヴィック」
「なんだ、少佐」
振り向かずに応える。
このサイクルを学ぶ為ノルマンディーを歩き回ることはあるが、わざわざこの貨物室へ足を運ぶのは少佐くらいのものだ。
「次の任務はあなたも連れて行こうと思って。だから準備しておいて」
「了解だ、少佐」
「…」
「…?まだ何かあるのか」
用件が済んだら出ていけばいいものを、振り向いてみると少佐は私の後ろで動かない。
腕を組んで私を眺めながら考え事をしているようだった。
「ジャヴィックって、私の名前知ってる?」
「その質問の意図がわからんのだが」
「別に大したことじゃないんだけど…よく皆から”シェパード”って呼ばれるからなんだか慣れなくて。あともしかしたら紹介し忘れたかしらと思って」
「…名前は覚えている。シェパード少佐」
「…」
「なんだ」
何故複雑な表情を浮かべる。
「…やっぱりいいわ、あなたが言うともっと慣れなくて変な感じ」
「意味がわからんぞ、シェパード少佐」
「やめてよなんだかムズムズするわ」