注意:DLCでシェパ子とひと晩過ごした後
貨物室のドアが後ろで閉まる音を聞いてから、その辺の壁に頭を打ち付けた。
やってしまった。
酔った勢いとはいえまさか少佐を…いや、あれは向こうから誘ってきたのだから不可抗力だ。
…不可、抗力だ…。
いつもの気丈な態度はどこにもなく、こちらを狩るかのような瞳で見つめ、肌は酒のせいか赤らんで。
そこまで思い出してもう一度頭を打ち付けた。
駄目だ、思い出すまいとすればますます鮮明に肉の柔らかさまで蘇ってくる。
彼女と出会ったばかりの頃ならばここまで思い悩むことはなかっただろう。
憂さ晴らしに原子種族を抱いたに過ぎないと。
しかし今のこの状態では……
耳に甘い声が蘇って、更に強く頭を打ち付ける。
ふと、忘れる前にメモリーシャードに保存するべきかと考えたが、ここにはそんな私用のメモリーシャードがないことを思い出す。
勢いとはいえ…私の中で大きな存在となりつつある少佐に触れられたのは僥倖だったのではないか?
そんな楽観的な考えまで浮かんできて、咄嗟に洗浄液へと頭を突っ込んだ。
………
『シェパード』
「何?EDI」
『ジャヴィックが貨物室へ入室した後、壁に何度か頭を打ち付け、次に洗浄液へ頭部を叩きつけました。これは何を意味するのでしょう』
「……なんですって?」
『初めて見る行動です。これは有機生命体でも珍しいのですか?』
「まあ…やる人もいるでしょうけど…まさかジャヴィックがね。リーパーのことを思い出したのかしら」